エリック・マコーマック「ミステリウム」



ミステリウム

ミステリウム


小さな炭坑町に水文学者を名乗る男がやってくる。だが、町の薬剤師の手記には、戦死者の記念碑や墓石がおぞましい形で破壊され、殺人事件が起こったと書かれていた。語り手である「私」は、行政官の命により、これらの事件を取材することを命ぜられるが、その頃、町は正体不明の奇病におかされ、全面的な報道管制が敷かれ、人々は次々に謎の死をとげていた。真実を突き止めようと様々な人物にインタビューをする「私」は、果たしてその真実を見つけることができるのか…。謎が謎を呼ぶ、不気味な奇想現代文学ミステリの傑作。



奇妙きわまりない奇想小説。つーかこの前読ンだ「隠し部屋を査察して」も凄かったけど、本作もかなりすげぇ。つーかマコーマックすげぇな。これは文庫化した「パラダイス・モーテル」も読まなくてはなるまいよ。


閑話休題。で、本書ですがこの奇想っぷりを説明するのは難しいンだよな。ミステリっぽい筋立てだけどミステリから微妙にズレてるし・・・アンチミステリ風味といえばいいのかな。でもそれもちょっと違う気がする。一応作中で「謎」とされていることには説明(?)がつくけど、それでもなお読了後にもやっとしたものが残るンだよな。でもそれが消化不良的な不満のあるもやっと感じゃなく、なんつーか、「もう謎は謎のままでよくね?」的な不可解を解明することが躊躇われるもやっと感というか・・・。


作中最後の一文が中々に意味深であるよな。それは読ンでのお楽しみってことで。