荒山徹「魔風海峡」(上下)



魔風海峡 (上) (祥伝社文庫)

魔風海峡 (上) (祥伝社文庫)



魔風海峡 (下) (祥伝社文庫)

魔風海峡 (下) (祥伝社文庫)


慶長三年(一五九八)、前年からの朝鮮出兵も日本大苦戦のまま、秀吉を死の床に伏していた。突如、呼び出しを受けた真田幸村は、豊臣家再興を策す石田三成から驚くべき特命を拝した。「千年前、欽明帝が朝鮮半島に遺した任那日本府の隠し秘宝―百八体の黄金仏を発掘移送せよ!」忍びの勇士たちを引き連れ、幸村は朝鮮へ発った。一方、その計画を察知した家康側は、いち早く服部半蔵を半島へ派遣、半蔵は王子・臨海君、朝鮮忍者・檀奇七忍衆と手を携え、黄金仏の奪取を謀った。はたして秘宝の行方は?凄絶極まる日・朝忍法決戦の決着は・・・。デビュー大作『高麗秘帖』で喝采を浴びた新鋭が放つ第二弾!空前の構想と圧倒的筆力の時代伝奇巨編誕生。



デビュー2作目でこの内容かよ!荒山せンせマジぱねぇ。


最近荒山せンせの本は積みまくって「後で読む」状態だったのですが、いつの間にか大量に既刊が積まれてしまいどげンかせンといかン、と思い立ち優先的に崩していくことにしました。というわけでまず本書から順に崩していこうかな、と。


で、夢中で読みふけったのですが読ンでて頭を抱えてしまいたくなる酷さ(注:褒めてます)であり荒山徹という作家の恐ろしさを今更ながらに思い知らされましたよ。デビュー作「高麗秘帖」はまだ正気を保った内容だったのですけど、2作目からしてアクセル全開というかブレーキの壊れたダンプカー状態。朝鮮柳生に朝鮮忍者、大仏ロボにゾンビとやりたい放題ですよ。まさに「面白けりゃそれでいーやンけ」状態。火に油をぶっかけて燃やすだけ燃やし、最後にダイナマイトで全部吹っ飛ばすかのよーなこの展開は正直いい笑いしか出ませンぜ。伝奇小説って楽しいなぁ。


というわけでオススメ。山田風太郎系がお好きな人なら絶対気に入るはずっ