ジョージェット・ヘイヤー「マシューズ家の毒」



マシューズ家の毒 (創元推理文庫)

マシューズ家の毒 (創元推理文庫)


嫌われ者のグレゴリー・マシューズが突然死を遂げた。すったもんだの末に検死を実施したところ、死因はニコチン中毒で、他殺だったことが判明。だが故人の部屋はすでに掃除されており、ろくに証拠は残っていなかった。おかげでハナサイド警視は、動機は山ほどあるのに、決め手がまったくない事件に挑むはめに・・・。巨匠セイヤーズが認めた実力派が、練りに練った傑作本格ミステリ



ハナサイド警視シリーズ第2弾。前作同様に今回もエキセントリックな登場キャラたちによるドタバタホームコメディが展開されておりました。会話主体なのでさらさらと読めちゃいますな。著者はヒストリカル・ロマンスの大家らしいので、本書にもその辺のロマンス要素が入っておるのですが、もうこれがその道のベテランらしいベッタベタな展開でもうワシとしては笑うしかなかった。見事な様式美と言えましょう。ミステリ的な要素も前作以上のクオリティで、最後までかなり先を読ませぬ展開となっており総合的に大満足。この著者の作品はもっと訳して欲しいなぁ