詠坂雄二「乾いた屍体は蛆も湧かない」



乾いた屍体は蛆も湧かない (講談社ノベルス)

乾いた屍体は蛆も湧かない (講談社ノベルス)


・・・ゾンビになりたい。ずっとそう思って生きてきた。漫画家になる夢を諦め、日々を漫然と暮らすだけの僕。死んだようにただ生きている、僕と似た仲間たち・・・。そんな四人が見つけた廃墟の屍体。これが人生の分岐点!?と思ったのもつかの間、屍体は忽然と姿を消してしまった!「働いたら負け」と思っているワケでもないけど、「屍体を見つけたから勝ち」ってワケじゃない。だけど僕は探し出してみせる。自分を、変えるために。



ほンと詠坂作品は一筋縄ではいかないな!


痛々しいながらも結構なリアリティでもって迫るダメ人間の思考が胸に突き刺さる本書。いい年したおっさンなら結構な共感(認めたくないけど)を感じられるンじゃないかな。しかし痛々しいながらもかなり読ませる内容で、かなり引きこまれてしまいます。「うわぁ・・・」って思いながら読み進めてると、結構な背負投げを食らわされる(でも割とバレバレかな?)本書、フェアかアンフェアかは置いといてこのひねくれっぷりに悶絶するがよいよいよい