アントニー・マン「フランクを始末するには」



フランクを始末するには (創元推理文庫)

フランクを始末するには (創元推理文庫)


フランク・ヒューイットは芸能界の大スター。殺し屋の“わたし”は彼の殺害を依頼され・・・。二転三転するスター暗殺劇の意外な顛末を描いた英国推理作家協会短篇賞受賞作のほか、刑事の相棒に赤ん坊が採用され一緒に捜査を行う「マイロとおれ」、買いものリストだけで成り立つ異色作、ミステリ出版界の裏事情を語る一篇など多彩な12作。奇想とユーモアあふれる傑作短篇集。



奇妙な味わい溢れる異色短編集。表題作は予想外の展開っつーかそれしかないオチっつーか、もうバカミス愛好家的には堪らぬ内容で笑うしかない内容であった。もう大好き。純粋な狂気が美しいブラックな味わいの「豚」とか、読み進めるうちに「おいおい」「おいおいおい」「おいおいおいおいおい!」とセルフツッコミが止まらぬ買い物リストのみで構成される怪作「買いもの」とか、この辺だけでもワシもうお腹いっぱいですよ。もう食えないデブーですよ。あとチェス作品が2本収録されてたけど、これもかなり味わい深く大変好みでありました。


上記以外にも全体的に大変高レベルの作品ぞろいであったと思いますので、異色な話がお好きな方には超オススメですぜ。