白幡俊輔「軍事技術者のイタリア・ルネサンス ─築城・大砲・理想都市─」



軍事技術者のイタリア・ルネサンス―築城・大砲・理想都市

軍事技術者のイタリア・ルネサンス―築城・大砲・理想都市


幾何学的な平面プラン・直行する街路・整然と配置された街区など、初期ルネサンス期の建築家が夢想した「理想都市」論は、火器の発達とともに軍事的機能に特化していくと単線的に理解されてきた。
本書は、一五世紀シエナの建築家、フランシスコ・ディ・ジョルジョの築城術のなかに共存する合理的な態度と非合理的な態度や、一六世紀以降の築城術にも「理想都市」論的な要素がみられる点など指摘し、ルネサンス期の築城術の変遷過程を問い直す。
 現存する城郭の写真を多数収録。



中世イタリアの築城技術などを扱った学術書。この辺のジャンル的にはまったくの素人であるワシが何故読ンだかっつーと、友人の学者が書いた学術書だからであります。つーかワシが所有するイタリアの知識ってあれですよ、ゲームで悪いけど「アサシンクリード2」で培った知識しかないですよ。アサシン教団がテンプル騎士と戦ってるとか。





もしくはジョジョ。真実の口は柱の男のうわなにをするやめ


というボンクラ知識しかないワシが読ンだのですが、いや結構楽しめました。全体的に記述についての統一性が感じられない(アルファベット表記があるもの/ないものがあったり、そもそもアルファベットの読みが入ってたり/入ってなかったり、とか表記が英・伊の2種あったり/なかったりとか)のでイマイチその辺がこなれてない感があり微妙にストレスが溜まるものもあったけど、「城塞擬人論」とか内容的にはまったくもって知らぬ話であり普通に知的好奇心をくすぐられましたですよ。つーか作中で図面とか上げられてるけど、なるほど結構納得。昔の人は結構色々と考えているのだなぁ。あとマキャベリとか「君主論」くらいしか知らぬワシにとって作中で紹介されたマキャベリDisの内容はかなり斬新であった。歴史って面白い。


まぁ普通の人は手に取ることはない作品でしょうけど、イタリアの歴史などに興味の有る方は手にとってみては如何でしょうか。ちなみに、序章が一番読みづらい部分だと思うのでそこで引っかかった人は1章に先に突入してもいいかも