ティエリー・ジョンケ「私が、生きる肌」



私が、生きる肌〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕

私が、生きる肌〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕


国際的知名度を誇る形成外科医のリシャールは、愛人のエヴを連れて今夜も出掛ける。美貌のエヴにいっさいの自由はない。すべてリシャールの言いなりに従うしかないのだ。上級のパーティへ、高級なレストランへ、だが時には......読者の意表を衝き、次々に明らかにされる謎と衝撃。もつれあう物語の迷宮の果てに待つものは? 本国フランスのみならず、英米でも高く評価され、巨匠ペドロ・アルモドバル監督に映画化された著者の代表作!



「蜘蛛の微笑」というタイトルで刊行されていたおフランス産のヘンテコミステリ。今回の新板が出たのをキッカケに数年ぶりに再読してみたのですが、いやーやっぱ頭オカシイわこれ。キチガイの発想と言わざるを得ない。昔読ンだ時も「バカだなぁ」と思ったのですが、今回読ンで改めて思いました。「バカだなぁ」と。


いやヘンテコですけど、話としてはすげぇ良いンですよこれが。全てが最後に収束するこのサスペンス感は流石だぜと言いたくなります。なるのです。でも、その、ええと、そこに至るプロセスが狂っているというか、どうしてこうなってしまったンだ感が激しく強いのでやっぱヘンテコかつボンクラなミステリ(注:褒めてます)と言わざるを得ませぬ。つーかインパクトありすぎて色々と消し飛ぶ。というかよくこれ映像化しようと思ったな。いや映像化すれば映えるだろうけどさ。


ワシ的には大いにオススメしたい作品。やはりフランス人は考えることがおかしいぜ。(偏見)