西村健「任侠スタッフサービス」



仁侠スタッフサービス (集英社文庫)

仁侠スタッフサービス (集英社文庫)


旅行代理店の臨時求人に応募してきた派遣会社「倶利迦羅紋々スタッフサービス」。信じられない好条件に代理店社長の飯田は即決するが、正体は何とヤクザのフロント企業。手を変え品を変え7人の男女を巻き込んだ倶利迦羅社の目的は一体?戦々恐々とする面々に警察も加わり、福岡を舞台に三つどもえのコン・ゲームが始まった。怒涛のノンストップミステリー、文庫オリジナル。



福岡を舞台に展開される任侠ミステリ。前半がオムニバス短編風で、7人の普通の異なる職業につく男女がひょンなことからヤクザと関わることになるユーモア溢れる(その中にサツバツとしたヤクザワールドも溢れる)話となってます。で、後半が長編となりまして、前半の登場人物たちが一同に介し「何故ヤクザに目を付けられることになったのか」という謎をメインとしたコンゲーム風の話となっております。この謎が結構面白く、前半に登場した7人の男女がヤクザに探りを入れつつ徐々に最終的な目的を明らかにしていくプロセスとかはもうやるな西村健という感じで、オダケンシリーズに始まるB級アクションだけが持ち味ではないンだぜ?といわンばかりのシロモノ。オチも含めてよくできた任侠エンタメ小説と言えましょう。


しかし西村健の小説に出てくる食い物はマジ美味しそうで困るわ(´・ω・`)