荒山徹「柳生黙示録」



柳生黙示録

柳生黙示録


寛永14年、異国にて客死したはずの高山右近が帰国した。異様なキリシタン忍法を操る一団が右近を襲撃するも、柳生十兵衛の豪剣がこれを阻む。やがて現れた黒幕・天草四郎の正体に十兵衛は呆然とする! 「島原の乱」驚愕の事実が明かされる傑作伝奇剣豪小説。



これは ひどい。(注:最大の賛辞です)


さすがワシらの荒山せンせやで!この恐ろしいまでのB級センス、他の作家さンにはなまなかなことでは到底到達出来ますまい。というか過去の作品であるところの「サラン」読ンで以来熱望していた荒山版魔界転生が今ここに!本作でついに!すげぇぜ荒山せンせ!やってくれたぜ荒山せンせ!でも魔界転生魔界転生でも山風オリジナルじゃなくケン・イシカワ版ってのがまた捻くれててさすがやで!普通の読者がこれについてこれるか甚だ疑問だけど我らボンクラーズはもう大歓迎であり一生ついていきますぜ先生!


というわけでもうボンクラなB級剣豪アクションがお好きな人には辛抱たまらなくタノシイ本です。いやほンと。シマバラ・アポカリプス・ウォーズを舞台に柳生十兵衛天草四郎や森宗意軒がありとあらゆる手管を尽くし歴史をファックしまくるこの内容、もう神をも恐れぬ荒山イズムの最終到達点と言えるでせう。これを見逃すてはありませぬぞ皆の衆。


ちなみに話的には「柳生薔薇剣」「柳生百合剣」の後みたいだけど、まぁ前の作品読ンでなくてもまったく問題ありませンわえ。(現にワシまだ百合剣は読ンでないし)