ポール・アルテ「殺す手紙」




空襲の焼け跡にある空き家へ行き、指定の時刻ちょうどにランタンを灯してほしい。そして何が起こっても、決して逆らってはいけない…親友からラルフに届いた奇妙な手紙。友の正気を疑いつつも、事情があるものと察したラルフは指示通り夜の町へ出た。だが問題の空き家に警官が踏み込んで来たのを皮切りに、あっという間に事件の連続に巻き込まれてしまう。空襲で死んだ自分の妻を見かけ、ついには殺人事件が!不可能犯罪ものの名手がストーリーテリングの才を発揮するサスペンス。



異様にあっさりしておる感。


アルテと言えばツイスト博士の不可能犯罪を扱った長編がメジャーなところなのでしょうが、本書はノンシリーズの長編。上記あらすじにもあるよーにサスペンスっつー方面を全面に打ち出してはいるのですが、今ひとつサスペンス方面での緊迫感とかその辺が不足しているっぽく感じられ、「この先どうなるンだっ」的なドキドキ感はイマイチだったよーに思えました。何つーか、中盤の展開がさらっとしすぎてて緊迫感があまり無いと言いますか。とはいえ、謎の魅せ方と言いいますか、捻った展開で二転三転する先が読めないストーリー展開は流石アルテ。・・・って書いてて思ったけど何か前述の「この先どうなる」的な話と矛盾しているよーな気がしてたぞ(´・ω・`) いやでも「先が猛烈に気になる」という感はそこまでないけど、先の展開が割と裏切られるってのは矛盾しないよな。吸引力がないっつーか。さらっと読めるのであまり気にはならぬが。


真相におけるびっくり感はあるので読ンで損はしないかと思われます。