ジョン・ディクスン・カー「帽子収集狂事件」



帽子収集狂事件【新訳版】 (創元推理文庫)

帽子収集狂事件【新訳版】 (創元推理文庫)


“いかれ帽子屋”による連続帽子盗難事件が話題を呼ぶロンドン。ポオの未発表原稿を盗まれた古書収集家もまた、その被害に遭っていた。そんな折、ロンドン塔の逆賊門で彼の甥の死体が発見される。古書収集家の盗まれたシルクハットをかぶせられて・・・。比類なき舞台設定と驚天動地の大トリックで、全世界のミステリファンをうならせてきた、フェル博士シリーズを代表する傑作。



やはりカーはよい。


つーか数年ぶりの再読だったのだけど、まったくもって内容覚えてなかったので超新鮮な気持ちで読めましたよ(おい) そして改めてカーの技量に心底感じ入った次第。本書のネタは一言で言ってしまうと「(自主規制)」なのですが、これを最後まで悟らせないところがすげえ。マッドハッターによる連続帽子盗難事件、エドガー・ポオの未発表原稿、ロンドン塔で発見された死体、浮上する容疑者たちと完璧に計算された恐るべきストーリーテラーたるカーの妙技に酔いしれるがよいよいよい。不可能犯罪の大家ではあるけど、カーってめっちゃ話おもしろいのよ?