ジェイムズ・サリス「ドライヴ」



ドライヴ〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕

ドライヴ〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕


故郷を捨てカリフォルニアへやってきた若者は、映画のスタント・ドライバーとなり、やがてその卓越した運転の腕を裏社会の面々に買われ、逃走車輛の運転手稼業に手を染めるようになっていた。そんなある日、彼が参加した強盗計画が仲間割れから無残な失敗に終わる。命からがら逃げのびた彼は車だけをパートナーに、裏切りの黒幕を追って走りだした―斬新な感性でクールに描く衝撃のクライム・ノヴェル。



200ページほどの短い長編なのですが、切れ味がハンパないため充足感がすげぇぜ。ばっさり日本刀で切れれたような感じ。いや切られたことないけど。話そのものはあらすじそのままの大変シンプルなものなのですが、魅せ方が上手いのよなぁ。エピソードの時系列がバラバラにして語られるという構成なのでちょっと最初はとっつきにくい感があると思うのですが、この語られた内容の断片がつながっていき1つの連続的エピソードとして読み手が内容を把握できるよーになってくる、この読み解く快感がたまらぬのですよ。


切れ味するどいノワールゆえ皆もばっさり切られてみるがよいよいよい