キム・ニューマン「ドラキュラ紀元」
- 作者: キムニューマン,Kim Newman,梶元靖子
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 1995/06
- メディア: 文庫
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ヴァン・ヘルシングが斃れ、ドラキュラはついに英国全土を征服した。だがその治世下、吸血鬼の娼婦ばかり惨殺される事件が発生。諜報員ボウルガードは、闇の内閣の命を受け、「切り裂きジャック」追跡に乗りだす。一方、ドラキュラとは血統を異にする吸血鬼の美少女、ジュヌヴィエーヴもまた事件を追いはじめるが・・・いまひとつの世紀末。虚実ないまぜにして贈る、あの名作の総編。
神、いわゆるゴッド。
というわけでワシを信じて買え・・・と言いたいのですが、今入手難易度が高いンだよなぁこれ。密林マケプレ価格もこれ書いてる時に見たけど、結構高めになってたし。(それでも定価以下ではあったが) こーゆー翻訳系の本が普通に買える状況になって欲しいな、と常々思うワシです。
で、内容なのですがいわゆる歴史改変もの・・・というよかフィクション改変もの。広い意味での二次創作というか本歌取りというか、まぁあらすじ読ンでもらえば一目瞭然なのですが。舞台はヴァン・ヘルシングが敗北し、ドラキュラの治世となり吸血鬼が大量に跳梁跋扈することになったイングランド。時代は1888年、ええ、切り裂きジャックが活動した年ですよ。そこで連続吸血鬼殺人(いや殺吸血鬼)が発生し、諜報員ボウルガードはマイクロフト(ホームズの兄!)から調査を依頼され・・・って話です。
これだけでもテンションあがるのですが、登場する人物が古今東西の虚実入り交じったキャラばかりでして、ネタ元を知らずとも楽しく読めるのですが、知ってれば「( ̄ー ̄)ニヤリ」とできるところが多々あったりして読ンでて実に楽しい。至福。さらっとカーナッキとかヴァン・ドゥーゼンの名前が出てきたりするところとかもうニヤリ笑いが止まりませンでしたぜワシ。あとモリアーティーとかフー・マンチューとか(この辺は直接名前は出てこなかった気がするけど) というか中盤、吸血鬼VS中国でお馴染みのあいつの戦いになったところはテンションあがりすぎてもうわけがわからぬ状態になり申した。もう色々とてンこ盛りの豪華幕の内弁当的味わい。
というわけで皆探して読むがよい。伝奇小説好きにとりわけオススメ。中でもB級ボンクラ魂をハートに持つ人には特にオススメ。