倉阪鬼一郎「不可能楽園<蒼色館>」



不可能楽園 〈蒼色館〉 (講談社ノベルス)

不可能楽園 〈蒼色館〉 (講談社ノベルス)


若くして引退し、その後は一度も姿を見せず山形県に隠棲していた往年の名女優、美里織絵が死去。葬祭式場〈蒼色館〉で告別式が営まれた。その最中に、織絵が暮らした山形県の屋敷に賊が押し入り、見習い執事と家政婦を刺殺。さらに織絵の妹である浪江の孫を誘拐する! ところが、疑いのかかる関係者全員には鉄壁のアリバイが。不可能犯罪の超トリックは――!?



いったい倉阪せンせは何と戦い続けているとゆーのだ。


年に1回のお楽しみ、倉阪せンせが講談社から刊行する己が持ちうる技量を全て叩き込ンだバカミス最新作。内容的にはこれまでの総決算と言いますか、ネタ的にはあまり新鮮味は感じられなかったのですけど(それでも見抜くことは困難ですが)それでもやはりこの労力には素直に頭が下がります。というかバカミス者として土下座したくなります。いったいぜンたい何がここまで倉阪せンせを駆り立てるというのか。まっこと、バカミスは冥府魔道やで。真相の下りでは普通に( ゚д゚)って顔になりますともさ、ええ。


つーかもうここまで来ると面白いとか面白くないとかミステリだとかバカミスだとか、もうその辺をかる〜く打っ千切って違う次元で勝負しているよーな気がするな。この調子で倉阪せンせにはナンバーワンかつオンリーワンな存在として今後も冥府バカミス魔道をただひたすら邁進して欲しいものです。上小野田警部に敬礼。


まぁ、バカミス者でない読み手からしたら「・・・だから何やねンこれ・・・」と言われても仕方ない作品であるとは思いますがね!(´・ω・`)