菊池秀行「魔界都市ブルース 妖月の章」




人捜し屋秋せつらは奇妙な依頼を受けた。会社員唐沢は、花となって甦った亡き妻千鶴に会いたいのだという。この世に思いを残して逝った人間の顔をした白い花が咲くという“死人花”。せつらはそれを求めて「新宿」の「花畑」を訪れたが、千鶴の花は何者かに持ち去られていた。直後、不審な美女の尾行を受けたせつらは、唐沢夫妻の間に横たわる哀しき秘密に気づくが・・・。はたして花を引き抜いていったのは誰か?愛深き男と女はこの「魔界」で再会できるのか・・・。詩情豊かに贈る超人気シリーズの最新作。



最近読ンでる魔界都市ブルース。長編はエロス&バイオレンスだけど短編は叙情あふれる哀切感が大変ステキであり、本書もまた大変その辺を満喫したのですが・・・。が。収録されている「踊る外谷さん」があまりにも狂っていてワシはもうただただ「菊池せンせパネぇな」と思うしかなかった。既作でもちょいちょい魔界都市の情報屋として登場し、登場する度にそのインパクトで我々ボンクラ読み手のオアシス的存在であった外谷さンなのですが、このエピソードはもうゲップが出すぎて「もう勘弁してくだせぇ」と言うくらいに外谷さンをたっぷりと堪能できましたよ。いやもう怪作にも程があるわこれ。


そろそろ短編は既刊全て読み終えそうなので、ぼちぼち長編を進めていきたいところ。