アリス・キンバリー「幽霊探偵の五セント硬貨」



幽霊探偵の五セント硬貨 ミステリ書店 2 (ランダムハウス講談社文庫)

幽霊探偵の五セント硬貨 ミステリ書店 2 (ランダムハウス講談社文庫)


社交界の華と呼ばれた女性が殺された。そして今度は、事件の真相に迫った作家までが謎の失踪!?自分の店に招いた作家とあらば見過ごせない。真相究明に乗り出した書店主ペネロピーは、捜査の参考にと、店の倉庫に眠っていた幽霊探偵の事件簿を取り出してみることに。すると、中から一枚の五セント硬貨が転げ落ち・・・。この一枚がやがて、幽霊探偵とミステリ書店主の名コンビの命運を分ける。待望のシリーズ第2弾。



幽霊・ハードボイルド・探偵とミステリ書店・コージー・女主人のコンビでおくる、ミステリ書店シリーズ第2弾。ハードボイルドとコージーが絶妙に入り混じったカオス気味なユーモアミステリであり、ワシ結構気に入っております。(2作目読み終えてから出ているシリーズ全部買っちゃったし) テンプレートとも言えるこのハードボイルド探偵の発言と普通(?)である書店主ペネロピーが感じる色々なギャップが読ンでて実に楽しい。


つーか前に参加した読書会で「コージーって割と町の住人と協力して事件にあたるよね」とのご意見があったのですが、なるほど本書もそういえばそンな感じよな。まぁ街の住人もかなり魅力的なのでこの人達にももっとスポットライトが当たってもいいとは思うけど。


本書は五セント硬貨がある重要な役割を果たすのですが、2作目にして早くもシリーズの分岐点に達した感があります。はてさてこの先どーなるのやら。(読めよおうおう


舞台がミステリを扱う書店なので、結構その辺の薀蓄も楽しいのがミステリ者にとって嬉しいところ。非コージー者でも楽しく読めると思うのでこのジャンル未踏破な方にはぜひオススメしたい作品です