スティーヴ・ハミルトン「解錠師」



解錠師 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

解錠師 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)


けっして動かないよう考え抜かれた金属の部品の数々。でも、力加減さえ間違えなければ、すべてが正しい位置に並んだ瞬間に、ドアは開く。そのとき、ついにその錠が開いたとき、どんな気分か想像できるかい? 八歳の時に言葉を失ったマイク。だが彼には才能があった。絵を描くことと、どんな錠も開くことが出来る才能だ。やがて高校生となったマイクは、ひょんなことからプロの金庫破りの弟子となり芸術的な腕前を持つ解錠師になる……プロ犯罪者として非情な世界を生きる少年の光と影を描き、世界を感動させた傑作!



ぬぅ。どーも乗りきれぬ話であった。


主役であるマイクのキャラクターがどーも好きになれンかったのがワシの敗因か。なンつーか、「何なんだよお前」という印象が最初から最後まで拭えず、どーも冷めた感じで読ンじゃったンだよなぁ。口が聞けないっつーのも、そのトラウマとなった事件が明らかになったところで「で?」という感じで「同情はするがでもなぁ」という感じだったし。キャラクターが異様にブレてる感じがあるのよな。またストーリー内で成長が感じられればまだマシだったと思うけど、そンな様子もあンま感じられなかったし。ラストは希望あるよーな感じでまとめられてたけど、この後続けてもこのマイクのキャラクターだと悲劇的なオチになるとしか思えねーぞおい。


とはいえ、解錠師としての修行シーンとその解錠シーンはは大変楽しい。これは良かった。全編修行と解錠シーンだけで構成されてても良かったくらいやで(おい)