アガサ・クリスティー他「厭な物語」



厭な物語 (文春文庫)

厭な物語 (文春文庫)


誰にも好かれ、真っ当に生きている自分をさしおいて彼と結婚するなんて。クレアは村の富豪の心を射止めた美女ヴィヴィアンを憎悪していた。だがある日ヴィヴィアンの不貞の証拠が・・・。巨匠クリスティーが女性の闇を抉る「崖っぷち」他、人間の心の恐ろしさを描いて読む者をひきつける世界の名作を厳選したアンソロジー



読後感の悪さに拘って編まれたアンソロジー。11の短編が収録されています。いやー、どいつもこいつも後味悪くて読了後にどンよりするしかないシロモノであり実にステキであったよ。真冬の深夜に読ンでたってのもあったけど、心構えしてても負の精神にぐいぐいっと押し込まれてぞわっとくるものがありました。どれも短いのでキレ味が半端なく、そのせいか苦味がより一段と際立つ感じ。


というわけでワシとしては実にツボに入る短篇集でございました。収録されたうちでは「ナイト・オブ・ザ・ホラー・ショウ」「善人はそういない」あたりが好きなワシは、心底救いのない話が好きなのだなぁとしみじみ思った次第でございます。皆も本書読ンでどンよりとした気持ちになればいいよ!


つーか同じコンセプトでまたシリーズ2作目とか作ってくれないものかな・・・