円居挽「丸太町ルヴォワール」



丸太町ルヴォワール (講談社文庫)

丸太町ルヴォワール (講談社文庫)


祖父殺しの嫌疑をかけられた御曹司、城坂論語(しろさかろんご)。彼は事件当日、屋敷にルージュと名乗る謎の女がいたと証言するが、その痕跡はすべて消え失せていた。そして開かれたのが古(いにしえ)より京都で行われてきた私的裁判、双龍会(そうりゅうえ)。艶やかな衣装と滑らかな答弁が、論語の真の目的と彼女の正体を徐々に浮かび上がらせていく。



逆転裁判*1風のミステリをボーイミーツガールで味付けした作品。つーかワシはBMG(強引な略)系の話はかなり好みであります上に、それをミステリの魂たるロジック(というよか揚げ足取りか?)で飾り付けているとかもう何つーかお子様ランチ状態っつーか、とにかく楽しさ満載であったことよ。


つーか作品の構造というか設定上、「とにかく相手を凹ませれば勝ち」というスタイルで話が進むため純粋なロジックとかミステリ的展開を期待すると肩透かしを喰うかもですが。何しろ相手に勝つために捏造上等!だったり観客の人気を獲得するための演出上等!だったりとかてンこ盛りなので。いやワシこーゆーの大好きですが。侃々諤々・・・ではなく狐と狸の化かし合い的やりとりの果てに到達した最終地点は何ともBMG(やはり強引な略)でありああもうとにかく素敵だ。


つーわけでワシ的には大いにオススメ。楽しいよ!

*1:もはやミステリクラスタで知らぬ人はいないと思いますので知らぬ人はぐぐる先生にお尋ねあれ