ロバート・チャールズ・ウィルスン「ペルセウス座流星群 ファインダーズ古書店より」




“発見者”の名を持つ謎めいた古書店を接点として、広大無辺な宇宙とささやかな日々の営みが交錯する。古書、望遠鏡、チェス盤、鏡───ささいなきっかけがもたらす非日常への誘いは、やがて秘められた世界、正気と狂気の狭間へと、人々を導いてゆく。ヒューゴー賞星雲賞を受賞した『時間封鎖』の著者が新たな側面を見せる、時に妖しく、時に幻想的に描かれた、珠玉の連作短編集。



SFっつーよかいわゆる異色短編風、奇想とか怪奇とか幻想とかそっちがわよりの短篇集という印象を受けました。前知識もなくあらすじ読ンで「あ、(未読やけど)『時間封鎖』の人の短篇集・・・まぁ長編の取っ掛かりにはなるかな」というくらいで着手したのですが、これがまた1話目からいきなり脳天直撃ですよ。つーか油断しきっていたのでこれはハートに突き刺さった。おいおいこの展開でこのオチかよ!ビターつーか苦ぇ!キレがある分苦さが一際際立つわ!そして9篇全てがそンな調子で展開されるため、読み進めるウチにワシの顔はどンよりとした表情に。でも超面白い。ページぐいぐいっとめくってしまう。でも読み進めると精神的にどンよりしちゃう・・・!でも超面白(とループ状態)


ワシとしてはどーにもならぬものはどーにもならぬという「アブラハムの森」、幻想的な迷宮への道「街のなかの街」、ビジュアル的にアレな怪奇幻想譚「薬剤の使用に関する約定書」あたりがお気に入りです。つーか収録作全てが面白い高レベルな作品集でしたよ。ハッピーな話などドブにでも捨てちまえ!というスピリットをお持ちの方には大変オススメできる作品でありますゆえ、皆も読ンでワシ同様どンよりした気分になるがいい・・・