栗田教行/林海象「ジパング」(上下)






時は江戸の世。乱世の余韻は未だ冷めやらず、己が滅光を天下に隈なく示そうとする家康は、数々の史書・伝書に記された「黄金の国」を手中に収めんと欲していた。一方、大阪城から密かに落ち延びた豊臣秀頼真田大助主従もまた、秀吉が2度の朝鮮出兵の折に手を入れた地図を頼りに、黄金の国に渡って豊家再興を果たそうとする。家康の命を受けその謎を追う服部半蔵の前に現れたのは、その名も地獄極楽丸。金100枚の賞金首、神出鬼没の大盗賊。豊臣・徳川なにするものぞとばかりに暴れまくる。伝説のユートピアをめぐる、熾烈な闘いが始まろうとしていた。



栗田教行氏って誰かと思ったらこれ天童荒太氏の別名義だったのかよ!作風違いすぎてわからンかったわ!


というわけで本書。その昔に映画化したのでタイトルくらいは知っている、もしくは映画見たって方もいらっしゃるのではないでせうか。ワシは映画は未見だったのだけど、twitterの伝奇クラスタが「小説版は小説版でかなり面白かった覚えがある」みたいなことをツイートしてたのでそれならと手にとって読ンでみた次第。


そして内容は微妙にとっちらかった感があるものの、レーザーブレード(としか言いようがねぇ)を使う地獄極楽丸を始めとして「やっぱ剣豪が出ないと始まらぬよな!」「で、でたー!忍者が繰り出す怪しげな兵器だー!」「四神!きたこれ!」と楽しいツッコミを入れざるを得ない話であり大変素敵な活劇っぷりであります。つーか活劇以外の部分もよくできており、劇中における日本と「ジパング」の関係とか、中盤から登場する謎の男をめぐる過去と今の因果とかはすげぇ楽しく読めました。どう面白かったかは作品の根幹部分なので詳細は割愛。実際に読ンで確かめるのだ。


というわけでワシとしてはオススメなのですが、言うまでもなく絶版なので興味のある方は古本屋とかマケプレとかでお探ししてくだされ