東野圭吾「聖女の救済」

聖女の救済

男がその言葉を口にしたとき、女は最後の決意を固めた。あの白い粉の力を借りるときがやって来た――。IT会社社長の真柴義孝が自宅で変死体となって発見された。死因は毒物による中毒だ。草薙刑事は被害者の愛人だった若山宏美を第一容疑者として疑うが、彼の同僚の内海 薫は真柴の妻・綾音の行動に不審を持ち、別行動で調べ始める。だが綾音には鉄壁のアリバイがあった。そのアリバイを崩すためには、湯川 学の力を借りる以外にないが……。

無茶なトリックだな！


しかし説得力はある。この無茶を押し通すだけの設定と構成力はすげぇぜ。というわけで本書、ガリレオ長編2作目は犯人の狂気がただただ光り輝くバカミスでありました。いやもう本書の帯にあった「理論的には考えられても、現実的にはありえない」を地で行くよーなお話でして、ワシのよーなボンクラミステリ読みはもう畏れひれ伏すだけですよ、ええ。


というわけで本格ミステリ野郎としてはもちろンのこと、バカミス野郎にも大満足の仕上がりですのでぜひぜひ。今なら文庫落ちしているので入手は簡単だよ。