西崎憲「世界の果ての庭」




米国人の学者と出会った女性作家の独白。若返る病を患い、家出から帰ってきた母。本所深川に出没する謎の辻斬り。果てのない階段がある巨大な“駅”をさまよ彷徨う脱走兵。光という影と、影という光で造る、理想の庭。──繊細で美しい物語の断片が創る、庭園のごとき小説世界。翻訳家・アンソロジストとしても知られる才人の、第14回日本ファンタジーノベル大賞受賞作。



いくつかの話が並行して進む、55篇から成るショートストーリー集。・・・なのですが、ものすごーく不思議な読み心地がする本でした。パズルのピースが当てはまりそうで当てはまらないというか。断片が重なるよーでまったく重なってないというか。この読み心地は読まれればわかると思うし、またこの内容が本書のキモではなかろうかと思いますので具体的にどの辺に引っかかったかは伏せておきます。皆も読ンでワシと同様の思いをすればいいさ。


お話的にはどれも雰囲気良くて、とても美しいものばかりでした。ワシとしてはどれもツボに入ったよ。さらっと読める上質のファンタジーだと思いますし、また再読して出てくる深みもある作品だと思いますので強くオススメしたいものです