ジュリアン・バーンズ「終わりの感覚」



終わりの感覚 (新潮クレスト・ブックス)

終わりの感覚 (新潮クレスト・ブックス)


穏やかな引退生活を送る男のもとに、見知らぬ弁護士から手紙が届く。日記と500ポンドをあなたに遺した女性がいると。記憶をたどるうち、その人が学生時代の恋人ベロニカの母親だったことを思い出す。託されたのは、高校時代の親友でケンブリッジ在学中に自殺したエイドリアンの日記。別れたあとベロニカは、彼の恋人となっていた。だがなぜ、その日記が母親のところに?───ウィットあふれる優美な文章。衝撃的エンディング。記憶と時間をめぐるサスペンスフルな中篇小説。2011年度ブッカー賞受賞作。



ラストシーンには腰が抜けた。


いやマジに。それくらい衝撃的というか「おいちょっと待て」というオチであり変な笑いが出ちまったぜ。話的にはよくある「自分探し」の亜流みたいなものなのですが、まぁ過去ってやつは下手に突っつくと大変な事になってしまうということがよくわかるお話でありました。忘れちまった記憶・・・というよりは若さ故の過ちがもたらす影響ってやつは実にスリリングやな。読了後のオチを踏まえて登場キャラの心情を辿ってみると色々と味わい深すぎるのもまたよし。ブッカー賞の凄みを味わえる作品と言えましょう。


つーかこれある意味バカミ(自粛