夢枕獏「新・餓狼伝」巻ノ二 拳神皇帝編



新・餓狼伝 巻ノ二 拳神皇帝編 (FUTABA NOVELS)

新・餓狼伝 巻ノ二 拳神皇帝編 (FUTABA NOVELS)


熱涙を呼ぶ、漢たちの魂。「バーリトゥード・チャレンジ」激戦三試合!
丹波、おまえ、プロレスをやらされたら、間違いなく武藤に負けるぜえ」熱戦を終えたばかりの伊達潮男が文七に言う。それに松尾象山も異論はない。文七はモニターでプロレスラー同士のぶつかり合い、長田弘対関根音の試合を見ていた。プロレス一流の、技の応酬が繰り広げられていた。そして第五試合、姫川戦での惨敗以降、地方を彷徨っていた文七がついにリングに戻ってきた。対するはミスタープロレスにして国民的な人気者、カイザー武藤。その激闘の余韻冷めやらぬなか、堤城平対巽真の最終試合が始まる。北辰館対東洋プロレス。身長差二五センチ、体重差三一キロ。会場の興奮はいまや、沸点に達しようとしていた―。



5年ぶりかよ!


長いこと「東天の獅子」と交代での隔月連載だったってのと、長い休載が挟まれたりしてたので仕方ないっちゃ仕方ないけど、やっぱ5年は長いよ!おまけに今回の後書きで「もう完結しなくてもいいや」みたいなこと言い出しちゃったし!せめてキマイラと餓狼伝は完結させてくれよ・・・大帝の剣が脱稿したらしいからやればできるはずだろ・・・。


とまぁ愚痴は置いておいて、本書。前巻から「バーリトゥード・チャレンジ」が続いております。本書において、やっとこさ主役の丹波文七さンに久々スポットライトが当たりました。対戦相手はカイザー武藤(モチーフはジャイアント馬場)。キング・オブ・プロレスが相手ですよ。そしてやってくれました文七さン。「ちょっと前の俺、ありがとう」じゃねーよ!獏の描写マジックはマジパネェな!いや確かにこの展開はアリだけどさ!漫画とかアニメとか実写とかでは割りとある展開だけどさ!あまりにも斬新なやり方でしばらく笑いが止まらなかったよ!そしてぬけぬけと「丹波文七は、こうして、帰ってきたのである」とか書きやがってるし。本当にマジ獏せンせパネェ。ちなみにこの文章、数年休載が続いたあとでの一文というのを知っていると色々と味わい深いものがあったりします。連載時に読ンだときもこの辺笑っちゃったンだよな。すげぇ熱い展開なンだけどさ。


そして文七の後は堤城平VSグレート巽というたまらぬカードが実現。これがめっちゃ熱い。文七に敗北してから生まれ変わったニュー堤を見よ。漫画版の不遇っぷりが嘘みたいな盛り上がりだぜ。


さて、次は一体何年後に出るのかな・・・(遠い目 少なくとも今連載している「獅子の門」が終わらないと連載再開されないだろうしな・・・ そのままフェードアウトしそうな気がしないでもないけどさ・・・