小説感想 夢枕獏「美空曼荼羅 魔獣狩り外伝」




空海が密かに唐より持ち込んだ"四殺"を封印せよ>
闇世界の始末人、孔雀明王美空に、高野山から秘命が下った。駆使すれば、いかなる者も殺せるという"四殺"、即ち"外法炉"、"餓蟇"、"飛狗"、"金剛拳"。厳秘のこの存在を何者かが暴き盗み、流血の惨事が巻き起こっている!戦慄の秘法"四殺"の実体とその行方は?密教術の天才にして無痛症の麗人、美空が動いた!



魔獣狩り」の登場人物・美空を主役にすえた、「魔獣狩り」から「新・魔獣狩り」をつなぐエピソードとなる本書。・・・とはいえ、「魔獣狩り」に出てきたキャラや関連エピソードなどは殆ど語られないため、本作単独でも十分楽しめる内容となっております。つまりこの前読んだ「魔獣狩り外伝 聖母隠陀羅編」とコンセプトはまったく同じ。まぁ違いといえば本書は"四殺"を巡る短編集っぽくまとめられているところかな。


美空が主役なのでサイコダイブ等のシーンなどは皆無ですが、その分伝奇アクション要素がてんこ盛り。つーか"四殺"のアイディアはこの手のB級っぽい作品を好む人間にとっては「キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!」と言わざるを得ないほどのステキ要素であり、「新・魔獣狩り」にどのように絡んでくるのかと思うとひゃっはー!というテンションになるワシでしたとさ。